海に囲まれ、限られた土地と資源を与えられた私たちは、幾度となる武力衝突の歴史も乗り越えて長い平和を築いてきた。仕組みが劇的に変わることもあった。尊い命が犠牲になったこともあった。
けれど、限られたもの分け合い、与えられたものを仲間とともに最大限に楽しむという私たち日本人の強い軸は、世界のどこにもないものだと思う。
世界の果てまで足を延ばすこと、国家の生産力を果てなく追求すること。それが正しいという固定概念を改めて疑ってみれば、大きな幸福の種は既に私たちの手の中にあることにきっと気がつくはずだと思うのだ。大きくしなくたって、遠くに行かなくたっていいじゃないか。永く身近なものを大切にする喜びに勝るものが、世界の果てや巨大なイノベーションの先になんか有りやしないよ。
今その手のひらを開いてそっと種を蒔き、優しい声をかけながら毎日水をあげよう。日々起こる変化に一喜一憂してみよう。そうすれば、どんな花が咲こうとも、我が子のように愛おしい一生の宝物になるはずだから。
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