2012年3月24日土曜日

中国で見た確かな未来への輝き

火曜日から今日土曜日まで会社の出張で中国に行ってきました。中国という持つ可能性に、中国人の目の輝きに魅せられてしまった、そんな旅でした。タイ、アメリカ、シンガポール、ベトナム、ヨルダン、シリア、トルコに行きましたが、こんな感覚は初めてです。
(上海の中心地、浦東のショッピングモール。真ん中に見えるのはappleストアへの入り口)

(銀座、六本木と同等、あるいはそれ以上の上海中心地)

よくある中国に対する偏見。
・今の成長はバブルで、実質が伴っていなんじゃないか
・中国人は金だけで、本質を見ていなんじゃないか
今回この目で開発の現場を見て、中国人と話してきた感覚として、それは真実ではありません。もちろん全然ないかといえばそんなことはありません。でも日本よりちょっと多いな、と感じるくらいです。僕が見てきたもの、感じたこと、それを書き綴っておきます。

まず一つ目、バブルへの懸念についてです。確かに今の成長が50年続くとは思いません。けれど、都心を少し離れると広大に広がる原野、そこに秩序立って開発が進むマンション群、華美でなく洗練されたモデルルーム。それを見れば「考え抜かれている事業であること」「必要性を伴う事業であること」「計り知れない将来性があること」を感じざるを得ず、少くとも20年は成長し続けることは間違いないと思うのです。100㎡のマンションが将来性豊かな都市で1000万円以下で買える。海外住宅でもローンが組めるなら買っていただろうな、と思います。上海の3億円のマンションも見てきました。東京都内で同じグレードで同じ地域利便性のマンションを買おうと思ったら4、5億円くらいかかると思います。高額商品であっても、たしかな値段感覚を持って事業が作り込まれている実感がありました。ここまで中国のリーダー達が深く考えて行動しているなら簡単にこの経済成長は崩れないと思います。そして何より経営者の中心は40代とものすごく若い。きっと小さな失敗を繰り返し、世界を翔ける実力者へと成長し、それとともに中国は世界のバランスを担う存在になっていくのでしょう。



(原野から、都市設計のジオラマが作られ、設計図が施行を受けて一つの住戸となり、そして町並みを形成していく。イマジネーションが現実になっていく現場を見て、身震いがした。)

そして2つ目、中国人はお金のことばかり考えているという偏見ついて。これは一部当たっている部分もあるかもしれませんが、お金という概念を超越して強い正義感と信念をもった人たちは確実にいます。むしろ、信念を持っている人は日本人なんかよりも分かりやすく熱さを露わにしており、義理人情をとても大事にしています。

聞いた話をひとつ。事業パートナーのうちの会社の担当者と会食をしたあと、うちの会社の先輩から聞いた話です。

「あの担当者の人、最近昇進したんだよ。給与体系が成果報酬に変わったらしいんだけれど、上がった給料の分を中国の恵まれない子供達に寄付しているらしい。頑張れば頑張るほど自国の子供たちが救われる、そう思うと仕事が楽しくて仕方がないらしい。東日本大震災が起きた次の日、財布の中からパッと五万円抜き出して日本のために役立ててくれと日本人スタッフに渡したらしいよ。」

僕はこの話を聞いた時、こんな人が少しでも中国にいるのであれば、彼らのために何かしたいと心の底から思ったのです。

僕が会った人たちがかなり教育水準の高い人だったというのはあるとは思います。けれど彼らの瞳の奥には夢があり、信念がある。僕らは他国の人を一般論や総体的視点から見てしまいがちだけれど、結局は同じ人間。中国政府が日本船に中国船をぶつけることを仕向ければ中国を恥ずかしいと思い、開発のために人々から土地を取り上げれば自分のことでなくても政府に怒りを感じること、それは震災や国際的課題にノロノロと対応をしない日本政府を恥ずかしく思う我々と同じで当然だと思うのです。

どの国にもしょうもない権力者はいて、どの国にも名もなくも正義と信念を貫く人達がいる、そういうことなのだと思います。

自分がビジネスマンとして生きることのできる30年とちょっと。その20年、中国の人たちの仲間にいれてもらって一緒に成長を楽しめる瞬間があるとするならば自分の男としての青春を捧げる価値はある、そんな想いが胸にグサっと突き刺さりました。いつかは日本に戻ってきて日本のために人生を捧げたい、その想いは決して消えていません。けれども逆説的に日本の役に立つ実力や仲間を作るには、いったん日本の為という打算を越えて、本当に中国のためだけに生きる瞬間がなくてはいけない気がしています。

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中国人の希望に溢れるその目の輝きを、20年後も、30年後も絶やしてはいけない。その先には日本に成し得なかったアジアを正しい方向に導くリーダーシップが必ずあると信じる。時代の流れに応じてリーダーになるのに的確なヒト、タイミングというのは必ずある。そのタイミングでない立場の人間が我リーダーたるべしとしゃしゃりでるからモノゴトがおかしくなるのだ。アジアのリーダーとしての役割を、日本から中国に緩やかにバトンタッチしなければならない時はもうすぐだ。

日本はまた求められる時が来るまで虎視眈眈と力を蓄えればよい。リーダーになりたいとわめきたてることによってその時がくるのではなく、アジア、そして世界に人知れず淡々と貢献し続けることよって、アジアの民に求められて日本人がリーダーとなるべき時がくるし、その日本人のリーダーはきっと東日本大震災の苦難を乗り越えた子供達の中から出てくる気がする。その時まで、僕らの世代は今その瞬間のリーダーを全力で支えなくちゃいけない。5万円の恩恵を受けた子供たちが、その恩恵を世界中に返そうと世界に羽ばたくその日まで。

(羽田空港の出口に置いてあった看板。我々には言葉だけではなくこの恩恵を世界中に返す義務がある)

いずれ来る経済発展の終わり。その時に中国が日本のように毎日下を向いて通勤するビジネスマンで溢れかえる国にならないよう、中国のために僕が何をできるのか、うちの会社が何をできるのか、深く深く考えて毎日行動していきたいと思います。とりあえず中国語だなー!

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