2010年10月7日木曜日

会計はオピニオン、現金はファクト。

会計は奥が深い。決算書は杓子定規に作成される訳ではない。トーマツとE&Yが同じ会社を同じ状況で会計参与をしたとしても、決して同じ決算書が作成されることはない。

よく言われるのが、「会計はオピニオン」ということだ。現金の動き、キャッシュフローは絶対に一つの数字しか作れない。しかし、会計はルールを逸脱しなければ、経営者の戦略によって様々な動きを見せる。

例えば、非上場株式を評価する上で、株式発行会社の事業計画をもとにその会社の現在の価値を評価し、その株式の価値を評価することがある。その会社の未来を評価するのだ。誰が確実な未来を予測できるだろう、オピニオンがあってしかるべき。その他にも、利益計上のタイミングを操作する為に意識的に契約書の一文を変える、ということも当然のこととして行われている。

勘違いしないで欲しいのは、それは決して非道徳的なことでも、ルール違反でもないということ。これが会計の原理原則を理解している人間のみが武器とできる、戦略的財務会計なのだ。

世界の中心はUS GAAPからIFRSへ。資金調達が困難を極め、資金調達のコストが増大して行く世界経済の中において、銀行からも、投資家からも、グローバルな投資対象として魅力的な企業であり続けるには、ルールを理解し、そして積極的に、戦略的にルールを活用して行くことが必須である。

バスケ界で、経営計画と財務諸表、それが資本コストに与える影響とか、語れる人と出会ったことが無い。いや、いるんだろうけど(いなければ企業体が成立するはずが無い)多くはないのが確かだと思う。ここが恐らく将来自分が付加価値を発揮できる点であるはず。

なんてことを、自分にとってかなりヘビーだった会計メモの作成が一段落ついた時点で、ふと思ったのでした。

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